北岡剛介のブログ 優良な資産継承物語

もう所得税に対して関係してくるのが、

(元利返済の割合)です。

金融機関からの借入をする場合には、返済方法が

大きく分けて2つあります。

①元金均等返済

②元利均等返済

です。これは選択することができますが、一般的には

元利金等返済を選ばれる場合が多いと言えます。

この選択により返済額に占める元金の割合などが

変わってきます。では、具体的にどのような動きになる

かは、図式を参照して下さい。

表

ですので、一般的に多く採用されている元金均等返済を

されると、最初は金利(利息)分を多く支払い、

年数の経過とともに元金割合が多くなる、という形に

なります。ということは、申告上経費としてみてくれる

“金利(利息”分がどんどん少なくなる、という構図に

なっているのです。

(減価償却費)の動きをまとめてみます。

さきほども説明しましたが、減価償却費については

経年とともに減少していく動きをします。項目としては

大きく2つに分けられます。一つが設備と、もう一つが

躯体です。これは、金額が明確に分けられている場合は、

その内訳通りに按分することができますが、収益物件

などを購入する際には、分かれておりません。

そういう場合は、簡便法という方法で

「設備 : 躯体 = 30% : 70%」

という割合で按分します。

それが減価償却費の基準の価格となります。

償却方法については、躯体は“定額法”で償却していきます。

ただ、設備に関しては“定額法”もしくは“定率法”から選択

することが可能です。一般的には“定率法”を選ぶ場合が

多いです。

この選択により、償却の仕方が変わってきますので、

所得税対策などを考えながら、決めることが大切です。

次はキャッシュフローツリーを分析していく中で

一つの大きなテーマになるのが、“所得税”です。

所得税はきちんと納めるべきものであり、ごまかして

節税をすることに対してはクエスチョンがあります。

ただ、不動産経営における所得税をきちんと理解し、

そのための対策を講じておくことは必要です。

不動産経営においての所得税は、経営年数が経過

すればするほど高くなってきます。これは誰が経営

しても同じようになります。しかし、それを理解して

対策をしているか否かで、キャッシュフローは大きく

変わってくるのです。

不動産経営における所得税を考えるときにキーワードと

なるのが、

(1)減価償却費

(2)借入利息(借入元金)

です。この2つの数値の変動により、所得税は年々高く

なっていくようになるのです。

それぞれについて詳しく説明をしていきます。

③ローン定数を簡単に言うと、“銀行への返済利回り”

です。表面利回りやネット利回りは投資した額に対して、

その投資で生み出す収入からどのくらいの割合で

回収できるか、という指標です。

これに対してローン定数は

銀行から借り入れた額をどのくらいの割合で返済して

いくことができるか、というものです。銀行への返済利回り

のようなものです。

ですので、この数値は低ければ低いほうがいいわけです。

この数値に影響を与えるのは、

・金利

・期間

となります。

金利は低い方が良いですし、期間は長いほうが良いわけです。

計画的に短期でのお借入をされる場合は別です。

ネット利回りからローン定数を差し引きしたものがキャッシュフロー

となります。

この指標を元に、借入条件が悪すぎないか、ということを

分析し、再検討することで、条件の見直しなどの対策が

必要かどうかが浮き彫りになります。

②ネット利回りは、より実際の経営状態に近い

状況での投資効率に対する分析です。ですので、

表面利回りはざっくりと大まかに判断する指標として、

実際に購入を検討する場合は、ネット利回りで判断する

ことをお勧めします。しかし、この指標だけで数億円の

買い物の判断をすることは危険です。

イメージとしては、

①表面利回り : 10%

②ネット利回り : 7%

③キャッシュフロー利回り : 3~4%

というのが、一つの目安です。

企画の仕方や築年数、タイプによっても変わってきますので、

一つの目安に過ぎません。

何度も言いますが、一般的に不動産売買の市場で

言われている“利回り”というのは表面利回りです。

表面利回りだけで購入を判断することは大きなリスクです。

購入した後の賃貸経営では、様々なリスクが発生する可能性が

あります。そのようなリスクを想定した数字で検討しないと、

所有後に発生してからでは遅いのです。そのリスクをヘッジする

術がないのです。

ですので、オーナーさま一人ひとりが業者に言われるがまま

ではなく、きちんと判断できる指標をもつことが必要です。

それなくして、不動産投資、賃貸経営で成功することは

困難です。逆に言えば、その指標をもった上で、不動産

投資や経営をしていけば成功します。

次は(効率性)についてみていきます。

もう一つの指標である(安全性)は、その事業が

どれだけ安全かということを示しています。

それに対して効率性については、その事業の効率性、

つまり投資に対してどのくらいの割合で回収

できるか、そのリスクや効率性はどうかということを

分析します。

①表面利回りについては、本当にざっくりとした指標と

なります。そのマンションが潜在的に稼ぎ得る総収入と

建築金額(税込み)のみで計算し、どのくらいの投資効果

(投資利回り)があるかという指標です。ですので、

一切の空室リスクや家賃下落リスクは加味しておりません。

また、その分母となるものも、建築金額のみであり、

その他本投資に必要となる諸経費は考えません。

ですので、具体性は低い判断基準となりますので、

最初の段階でざっくり判断する際に用います。

例えば、収益物件を購入する場合でも、売値と収入で

最初にざっと判断してしまいます。その上で、ある程度

土台に乗るような数字が出れば、詳しく中身をみていく、

といった感じです。

また、世間で言われている“表面利回り”というのは

この数字のことです。ですので、購入や新築を計画する

際には、この指標だけで購入を決定すると、後で空室や

家賃下落、滞納など様々な状況の変化に対応できず、

自己破産といったことにもなりますので、あくまでも

大まかな判断基準としてお考え下さい。

退去時の原状回復工事について、費用を抑える

方法として代表的なポイントが、

①床材を塩ビタイル(フロアタイル)に変える

②壁紙を漆喰塗りにする

③キッチンの表層にシートを張る

などがあります。

細かくはもっと色々な方法がありますが、分りやすい

例をご紹介します。

①については、塩ビで硬質の床材を使用することで、

クッションフロアのように、へこむということが少ない

です。ですので、凹んだから全面張り替えるという必要

がなくなります。また、材料も450角のものや、900×150

のようなフローリング調のものまであり、1枚ずつ張替えが

可能です。タバコのこげ跡があれば、その1枚を張り替えれば

済むのです。

②は漆喰仕上げにするというものです。現状のビニルクロスの

上からでも施工が可能で、調湿効果などもあります。

汚れた場合はサンドペーパーなどで表面をこすれば綺麗に

なります。破損した場合でも、その部分だけ塗れば良いので、

オーナーさまでも補修可能です。

③はキッチンの扉や本体側面、底面にシート(リアテックシート・

ダイノックシート)を張るという施工法です。これは、キッチンを

入れ替えると数十万円という費用がかかるのですが、

シンクなど水廻りがある程度きれいな状態であれば、

このようにシートを張るだけでも相当価値が蘇ります。

これらはごく一部の方法ですが、色々な工夫をして

原状回復工事費を抑えるということも考える必要があります。

最近の賃貸経営でトラブルになる代表的なものとして、

退去清算(原状回復工事の入居者負担額)です。

なぜトラブルになるかというと、国交省のガイドラインで

入居者の負担割合(償却について)が明示されたことと、

情報化社会で一般入居者でも容易に詳細な情報を

収集できるようになったこと、また弁護士などが無料や

安価に相談できるというようなことが影響しています。

オーナーさまは昔のように入居者に請求するが、

強引な内容であればあるほど入居者からは回収することが

困難になっています。

だからと言って退去の度に、全額オーナーさまが負担して

いると今度は経営ができなくなってきます。

ですので、退去清算についてはきちんとガイドラインに

即応した内容で請求をかけていくこと。

また、原状回復工事費を少しでも抑えられる仕組みを

考えることが大切になってきます。

原状回復工事費については、素材の選択などで、

退去時のランニングコストを抑えることができます。

賃貸不動産を新築する場合でも、既築物件を購入する

場合でも「原状回復工事費用」を試算しておくことが

大切です。

その際、ポイントとなるのが「平均入居年数」です。

ご所有の賃貸不動産に入居されて、平均して何年後に

退去するか、ということを明確にしておくことが大切です。

これは、正確な数字をとることは難しいですが、最寄の

賃貸仲介会社さまなどにヒアリングすると大まかな内容は

教えてくれます。

また、一般的には単身物件で2~4年、ファミリー物件で4~6年

と言われています。今回の場合は、原状回復工事費の

経費もキャッシュフロー計算の中で考えておきましょう、という

ことですので、リスクを高めにみておく方が良いと思います。

ですので、例えば単身であれば2年とすると、

(全戸数20戸・間取り1K(25㎡))

※原状回復工事費は1室あたり0.5万円/㎡で計算

・1戸あたりの原状回復工事費:12万円

・20室退去した際の合計:240万円

・1ヶ月に割り戻すと(240万円÷2年÷12ヶ月):10万円

となります。

ですので、事業計画書の経費として毎月10万円の出費(積立)を

想定しておくことが必要となるのです。

④運営比率については、15%から25%が目安と

なります。内訳は以前にご説明させて頂いたとおりで、

建物の大きさや設備の有無により、大きく違ってきます。

築年数が経過してくると、家賃収入は減少していきます。

そうすると、運営費が変動しない限りはこの運営比率は

どんどん高くなってきます。

そこで、経営が悪化してくる前に、きっちり運営費の内訳を

明確にし、削減できるところは見直していく必要があります。

日常清掃や定期清掃も業者を見直すことで抑えることが

できます。

また、業者や契約方法により大きく変わってくるのが、

EV点検費用です。契約形態としては大きく2つあり、

①フルメンテナンス契約

②スポット契約

の2種類です。EVの状況や築年数をみながら、契約形態を

見直すことと、業者についてもメーカー系なのか、非メーカー系

なのかで大きく変わってきます。

次にご説明するのが、原状回復工事費についてです。

ここについては、詳しく説明していきます。