北岡剛介のブログ 優良な資産継承物語

賃貸経営における経費(出ていくお金)はいくつかあります。

一つは「運営費」です。マンションの規模により変わりますが、

例えば日常清掃や定期清掃、共用部電気代、共用部水道代、

EV点検費用、EV動力電気代、受水槽点検、給水ポンプ点検、

給水ポンプ動力電気代、消防設備点検などがあります。

二つめは「固定資産税・都市計画税」です。

これは、土地と建物を所有していると必然的に課税されるもの

ですので、どのようなオーナー様が所有しても同じように

課税されます。

三つめは「借入返済金」です。建物を新築または購入されたときに

金融機関からお借入をされたオーナー様のみになります。

大半のオーナー様は金融機関からお借入をするケースが多いと

思いますので、この点も見直す要素がいくつかあります。

最後に、賃貸経営をする上であまり気にされないオーナー様が多い

のですが、税引後キャッシュフロー(税引後の手残り)で考えると

「所得税」も一つ経営を改善するための大きなキーワードになります。

あとで詳しくご紹介しますが、築年数が経つほど経営に大きな影響を

及ぼしてきます。

これらの出ていくお金を把握して、それぞれをどのようにして抑えていくか、

ということを考える必要があります。

経営の極意~経費を下げる~ 2014年3月17日 9:32 AM

これまでに、

「単価(家賃)を上げる」

「入居率を高める」

「テナントリテンションを高める」

ということで、いかに収入を増やすかということが大切です、

とお話させて頂きました。

収入が最大化できれば次に考えることは

「経費を下げる」ということです。

なぜ経費を下げることまで考えないといけないかというと、

これからの賃貸経営では“キャッシュフロー”が重要になって

くるからです。

もともと、昔から賃貸経営というのは経営ですので、

キャッシュフローを考えながら経営をすべきものですが、

少し前まで何もしなくても入居が入っていました。

需要より供給が多いという時代が続いておりました。

経営をする中で、変な話ではありますが、

何も考えなくて良かったのです。

しかし、これからの賃貸経営はそんなに甘くありません。

オーナー様が一人の経営者として、マンション=会社という考え方で

経営を考える必要がでてきます。

ここからいくつかの経費を下げるポイントや具体的な方法を

ご紹介していきます。

ちょっと特殊な事例をご紹介します。

とある学生が多い地域に賃貸マンションを所有しており、

入居者の80%以上が学生。

そこで、オーナー様が実践されていることは、

「入居者限定!コピー機の無料利用」

です。

※実はコピー機の横に良心市のように箱は置いてあります。

学生さんって結構、コピーを利用することが多いわけです。

そこで、エントランスに業務用コピー機を設置し、

入居者さんは無料で利用できるようにしています。

本来であれば、コンビニまで行かないといけないとこを

マンションのエントランスで出来る。

このようなマンションってなかなかないです。

しかし、ちょっとしたアイデアで入居者さんの生活利便性は上がります。

ましてや、社会人であっても書類のコピーができることは

マイナスではありません。

このように、入居者さんの生活をいかに良くするか、ということを

日々考え、少しの工夫で入居者満足を実現することができるのです。

これは結構嫌がるオーナー様も多いようですが、

「アンケート」をとることです。

入居者さんと普段から顔を合わせているオーナー様であっても、

入居者さんは思っていることを言わない場合が少なくありません。

あまり、アンケートを実施するとクレームや譲歩しないと

いけないことが発生するのではないか、

と考えられるオーナー様が大半です。

しかし、小さな不満が溜まって急に退去されるくらいなら、

覚悟を決めて入居者さんのナマの声に最大限応えた方が得策

と言えるケースが多々あります。

参考までに、実際のアンケートの声をご紹介します。

<入居者さんの声>

①家賃を少し下げてもらえないか検討してほしい

②畳を替えてもらえないかな

③トイレにウォシュレットを取り付けたい

④建具の動きが悪い

⑤洗面台の蛇口から少し水漏れがしている

⑥上の階が日曜日になるとうるさい

などがあります。

よくよくみてみると、オーナー様の大きな出費に

つながることは少ないように思います。

家賃を下げることについても、検討してくれると有難い、

というようなスタンスですので、少しでも下げてあげると大変喜ばれます。

退去されて、次の募集のためのリフォームや

広告料(家賃の2ヶ月分)を考えると

今、手を打つ方が良いのです。

テナントリテンション(長期入居)を高めるためには、

入居者に満足して頂くことです。

実際に大阪府堺市北区のあるオーナー様の事例をご紹介をします。

このオーナー様の賃貸マンションの入居者は、

やむを得ない理由で退去をしないといけなくなったときに・・・

「オーナーさん、本当はこのマンションから離れたくない

のですが、仕事の都合ですので、本当にありがとうございました。

また、こちらに来るときは必ずオーナーさんのマンションに

住ませてください。」

と泣きながら言われたそうです。

このオーナー様がしていることは、

①エントランスに季節の飾り物

②共用水洗の開放(洗車や水遊び)

③空きスペースに砂場

④お歳暮、バースデーカード

⑤所有している畑で芋掘り体験(季節限定)

 ※特にファミリーマンションですので、効果があると考えられます。

このような工夫とアイデアで、入居者から嬉しい声をもらっています。

入居者が退去するということは、読みづらいものですし、通知が来る

まで分かりませんが、このような声を集めることが大切です。

これからの賃貸経営では「空室対策!」「リノベーション」という

言葉がよく聞かれますが、私はもう一つとても大切なことがあると

考えています。

それが、「テナントリテンション=一度住んでもらったら出さない」

ということです。

確かに、空室を埋めるノウハウやアイデア、人脈は最低限必要だと

思いますが、そもそも空室が出なければこのような心配をする必要が

ありません。

(※転勤などやむを得ない事情での退去は必ずあるので、やっぱり大切です)

テナントリテンションを高めるためには、お客満足が大切です。

オーナー様のお客様は誰か?それは入居者です。

入居者満足を高めることで、

「このマンションから出たくない」

「ここでしかこのような暮らしはできない」

「友達にも勧めたい!」

というような声を集めることです。

そうすることで、長期入居を可能にし、空室で頭を悩ませることもなくなります。

案内は定期的にあるけど、成約率が低い場合にどうすれば良いのか、

ということについてお話します。

この場合、実際は細かい市場の調査などをする必要がありますので、

参考程度にしてください。

②成約率が低い

 ⇒管理方法を見直す(空室管理・共用部の定期点検・日常清掃)

 ⇒対応を見直す(早期対応・柔軟な対応)

 ⇒おもてなし方法を見直す(スケール・メモ帳・ペン・芳香剤・スリッパ・大家の手紙)

 ⇒物件の魅力の伝え方を見直す(POP・モデルルーム)

 ⇒間取り・内装を見直す(リノベーション・プチリフォーム・原状回復工事)

 ⇒用途を見直す(コンバージョン)

 ⇒貸し方を見直す(マンスリー・家具付マンション)

ここで大切なことが、“当て物件”になっていないか、ということです。

仲介不動産会社の営業マンは、1人のお客様に対して

3件から5件の賃貸物件を案内します。

その案内方法も、「当て物」「当て物」「決め物」ということで、

最後に決める物件まで2件から4件の“あまり良い物件ではないもの”を

案内します。

この当て物件になっているとしたら、いくら案内件数が多くても

入居が決まる可能性は低いと思います。

最近の賃貸仲介市場では、インターネットの普及により、

入居者さんが自分で物件を絞り込み、

見学したい物件を指定する場合が多いと思われます。

しかし、まだまだこのような方法で案内していることは、現実です。

空室になっている原因が分かれば、次は対策を考えることです。

賃貸物件の立地や周辺の市場性により、

一概に言えない部分はあると思いますが、次のような対策を考える

ことができると思います。

①案内件数が少ない(認知度が低い・条件に合わない(入居者/仲介不動産会社))

⇒募集条件を見直す①(家賃・敷金/礼金・初期費用)

⇒募集条件を見直す②(広告料)

⇒リーシング方法を見直す①(仲介不動産会社への訪問頻度・TEL・FAX・メール・WEB)

⇒リーシング方法を見直す②(物件資料・プロモーション動画)

⇒仲介不動産会社さんとの関係を見直す(食事会・定期訪問・TEL)

このような対策をして、案内件数を増やすことが大切です。

単価を上げるということは、「家賃を上げ」て貸すということです。

このような賃貸市場の時代に、何を言っているんだ!

と言われるかもしれません。

しかし・・・実際に可能なことなのです。

ここで一つ、家賃を上げると言っても

「どの家賃から上げるの?」

ということがキーワードになってきます。

家賃には大きく4つあります。

 ①安売り家賃(相場よりも極端に安い家賃)

 ②相場家賃(相場からみて相応な家賃)

 ③募集家賃(現在募集している家賃 ※②・③と同じ場合があります)

 ④チャレンジ家賃(工夫を凝らして募集をし、決まる家賃)

家賃を上げるのは、相場家賃よりも上げるということです。

空室物件で多いのが、家賃設定を間違っている場合が多々あります。

その場合は、相場家賃に見直し、その家賃からアップさせることを考えます。

実際に効果のある方法としては

 ①条件を見直す

 EX.敷金・礼金変動型家賃、敷金・礼金0円募集

 ②リノベーションをする

 EX.内装リノベーション(1.5万円/㎡で家賃10%アップ)

 ③貸し方を変える

 EX.家具付き賃貸(30万円の投資で家賃5万円アップ ※3DK)

市場を調査し、現状の問題点や市場の特性を理解した上で

対策を講じれば、単価を上げることは可能になります。

賃貸経営の収入は

「部屋数×単価(家賃)×入居率」

です。

建ってある建物の部屋数を増やすことは容易ではありません。

単価(家賃)を上げることは、市場やニーズに合わせれば可能です。

入居率についても、リーシングに対する少しの工夫とアイデアで可能だと考えられます。

また、これからの時代は、入居率を高めることと同じくらい、既存の入居者満足を実現し、

テナントリテンションを高めることが大切になります。

キーワードは

「単価(家賃)を上げる」

「入居率を高める」

「テナントリテンションを高める」

ということです。