北岡剛介のブログ 優良な資産継承物語

金融機関から融資をしてもらうのに、

何年の借入をするか、ということも賃貸経営において

大きな要素となります。

ちなみに、借入期間については賃貸不動産の構造

によってある程度決まってきます。

キーワードは「法定耐用年数」です。

・木造 : 22年

・鉄骨造 : 34年

※鉄骨造は鉄骨の厚みで更に細かく細分化されます。

・鉄筋コンクリート造 : 47年

この法定耐用年数が基本的には借入期間の上限となる

場合が多いです。

借入返済期間を長期で組めれば組めるほど、

毎月の返済額は少なくなり、経営は安定していきます。

ですので、新築する場合でも、また既存物件を購入する

場合でも賃貸経営という観点で構造を観ることが

大切になってきます。

また、後ほど詳しくご紹介しますが、法定耐用年数により

減価償却期間も変わってきます。これは、償却できる資産に

影響してきますので、所得税ということに大きく影響

してきます。

借入期間と一言で言っても、返済額や経営のキャッシュフロー、

はたまた所得税と言った様々な観点でみていくことが重要に

なってきます。

金融機関が融資をするか否かのもう一つの

モノサシが「積算評価(担保評価)です。

これは、その不動産(土地・建物など)がどのくらいの

価値があるのかを評価するものです。

この評価次第で融資額に影響を及ぼしてきます。

融資依頼者の希望している額に対して満額融資する

ことが可能なのか、もしくは80%までなら可能なのか

というようなことです。

この評価については、金融機関ごとにそれぞれの

指標があるので一概には言えませんが、大まかに

この評価の基準は次の通りです。

(積算評価・担保評価基準)

■土地

・路線価評価(路線価額×土地面積)

 ※一部極端に広大な土地の場合は例外があります。

■建物

・木造:130,000円/㎡

・鉄骨造:150,000円/㎡

・鉄筋コンクリート造:180,000円/㎡

となります。建物に関しては、この評価単価に建物の

法床面積に乗算したものが評価額となり、融資の限度額に

なる場合が多いです。

金融機関が融資をするか否かを検討する際に、

最初にみるポイントが大きく2つです。

①当該事業の収益性

②当該事業の積算評価(担保評価)

です。

この指標を分析し、融資できる事業なのかどうか、

いくらまで融資するのかということを判断します。

金融機関により評価の仕方に若干の差異はありますが、

一つの指標としてご紹介します。

何かの事業を考えるときに参考にしてください。

(金融機関の収益性分析の仕方)

①入居率80%

②経費率80%

③借入金利5%

上記の条件でシュミレーションを行い、収支が赤字になるか

黒字になるかということを判断します。

赤字になる場合は、単独の事業としての融資は困難になります。

少しでも黒字になれば融資は可能であると判断できます。

簡単に言うと、その事業の収入に64%を乗算し、返済額については

耐用年数に応じた返済期間と希望借入額を

金利5%で調達した場合で計算してみるのです。

これで黒字になれば1つ目の条件はクリアーです。

金利が下がれば毎月、毎年の借入返済額は下がり、

金利が上がると借入返済額は上がります。

当然のことですが、ではどうすれば少しでも低い金利で

金融機関から資金を調達することができるのでしょうか。

ポイントは大きく4つです。

①当該計画の収益性・積算評価

②本人の個人属性(資産属性、収入属性)

※1) ③建築請負会社の経営体質

※2) ④運営会社の経営体質(借上会社・介護事業者など)

概ね、①と②が主な金融機関からの評価対象になりますが、

※1)は賃貸不動産を新築するとき、

※2)は当該賃貸不動産を所有後に運営委託するとき

などに参考評価される場合が多いです。

ということは、当該計画の収益性や積算評価は

どのような属性の方が所有しても大きな変化があるものでは

ありません。

②の本人の属性を良くすることはもちろんのこと、

どのような建築会社に委託するのか、

どのような運営会社に運営を委託するのか、ということまで

きちんと考えることが大切になってきます。

次は金融機関の収益性の見方をみていきましょう。

借入返済金については、運営費という表現はおかしい

かもしれませんが、経営をする上ではとても重要な要素に

なります。

賃貸物件を新築または購入される際に、金融機関からの

お借入をされる方が大半だと思います。

借入をすると返済がついてきます。

当り前のことですが、借入というのは大きく3つの要素で構成されています。

(借入の構成要素)

①借入額(融資額)

②借入期間

③金利

※この3つとは別に特約や条件などがある場合がございます。

毎月の返済額を抑えようと思えば、

①借入額を減らす(自己資金を増やす)

②期間を延ばす

③金利を下げる

ということをすれば返済額を減らすことができます。

①については、自己資金に余裕のある方はできますが、そうでない方に

ついては難しいかと思います。

自己資金を増やすことができれば、その事業の

リスクは減りますが、総合的な資産バランスに問題がでる場合があります。

②は建物の構造、耐用年数によりある程度は決まってきます。

③が格差が出る大きなポイントです。次は金利について説明していきます。

不動産を所有していると必ず必要になるのが、

この「固定資産税・都市計画税」です。

ここを下げることを考えるオーナー様は少ないかと思います。

日本の景気や不動産の価値の変動により、

所有している不動産の評価が変動し、それに伴い

見直しの時期に固定資産税などが下がったり、上がったり

することはあります。

物件によっては建物の固定資産税を下げることが

できる場合があるのです。

下げるというよりは、“適正化”するということです。

これは新築当初の評価方法に間違いがないかを検討し、

手違いで高い評価がされている場合に適正化するという

ことです。

ですので、図面を元に一から評価をしなおすということです。

固定資産税を適正化できる物件としては、様々な条件があり、

・物件規模が大きいこと(新築当初3億円以上)

・平面プランが複雑なこと

など検討する前の段階でいくつかの壁があります。

見直すことが出来ない、と思われるような経費(出費)でも、

一度検討してみることでより良い経営が可能になるかも

しれません。

これは賃貸マンションにより異なりますが、EVがある場合は

その維持、管理費用が必要になります。

EVの点検は大きく2つの契約形態があります。

「フルメンテナンス契約」と「POG(スポット)契約」です。

この契約方法の違いも大きく経費に影響してきます。

まずフルメンテナンス契約については、EVの故障があっても

全てその管理会社が負担してくれるということです。

故障箇所や原因により負担区分が変わる場合がありますので、

詳しく説明を聞かれることをお勧めします。

EVの故障によるオーナー様の負担(リスク)がない代わりに、

管理費用は高コスト体質になります。

これとは反対に、POG(スポット)契約にすると、管理費用は

低コストで済みます。

しかし、EVの故障や部品の交換などは、その都度オーナー様の負担となります。

このような契約形態を見直すことと、あとはEV管理会社についても、

メーカー系の業者なのか、それとも下請けの末端の業者なのかという

ことを見直すことでも月々のランニングコストを適正化することが

可能になります。

電気代も削減できる一つのポイントです。

賃貸マンションの共用部電気代はごく限られてきます。

(共用灯)

電球や蛍光灯をLEDに取り替えることで電気代を大きく削減する

ことができます。

また、LEDの寿命は長いので、電気代の削減だけ

ではなく、交換費用、手間の削減にもつながります。しかし、

LED灯に対する初期投資が必要になります。

また、LED専用の台もありますが、既存の台を利用することも可能です。

(EV動力)

マンションにEVがある賃貸マンションの場合は、EVの動力電力が大きな

電気代になります。

この場合、パワーブレーカーを設置し、契約電力を

変更することにより電気代を抑えることが可能です。

(給水ポンプ動力)

受水槽のポンプなどが存在する場合も、動力電気代が発生します。

これに関しては、給水の本管から直接引込み、ポンプを使わずに

各部屋に給水する方式に変更することができれば、電気代を削減

することができます。

ここで注意が必要ですが、地域性や建物の階数、戸数により

出来る物件と出来ない物件がありますので、調べてみる必要が

あります。

経費を見直すには、大きく2つの方法があります。

一つは「業者や方法を変える」ことと、

もう一つは「抜本的に変える」ことです。

まずは、「日常清掃・定期清掃」についてご説明します。

賃貸マンションを長期に渡り所有、経営していく上で

必要になる業務です。

最も経費を抑える方法としては、

オーナー様がご自身で清掃業務をすることです。

しかし、全てのオーナー様がそういうわけにはいかないので、

清掃業者に任せるケースが多いと思います。

そのような業者を見直すことで、物件規模にもよりますが、

月々5000円から10,000円の見直しが可能になります。

または、シルバー人材派遣に依頼することも一つです。

大阪では1時間あたり800円前後で依頼することも可能です。

業者の見直しにより経費を削減できたとしても、建物が

綺麗に維持されていないと意味がありません。

ポイントとしては、金額は下がったけど清掃時間が2時間から

1時間に減っていたり、週3回のところが週2回になっている

場合があるので注意してください。

また、業者の見直しではなく建物のグレードアップで清掃を簡易に

できる仕様にすることでの削減も可能です。

例えば、共用廊下の床に“ノンスリップシート”を貼るなどがあります。

このような方法で見直しをすることができます。

賃貸経営における経費(出ていくお金)はいくつかあります。

一つは「運営費」です。マンションの規模により変わりますが、

例えば日常清掃や定期清掃、共用部電気代、共用部水道代、

EV点検費用、EV動力電気代、受水槽点検、給水ポンプ点検、

給水ポンプ動力電気代、消防設備点検などがあります。

二つめは「固定資産税・都市計画税」です。

これは、土地と建物を所有していると必然的に課税されるもの

ですので、どのようなオーナー様が所有しても同じように

課税されます。

三つめは「借入返済金」です。建物を新築または購入されたときに

金融機関からお借入をされたオーナー様のみになります。

大半のオーナー様は金融機関からお借入をするケースが多いと

思いますので、この点も見直す要素がいくつかあります。

最後に、賃貸経営をする上であまり気にされないオーナー様が多い

のですが、税引後キャッシュフロー(税引後の手残り)で考えると

「所得税」も一つ経営を改善するための大きなキーワードになります。

あとで詳しくご紹介しますが、築年数が経つほど経営に大きな影響を

及ぼしてきます。

これらの出ていくお金を把握して、それぞれをどのようにして抑えていくか、

ということを考える必要があります。