北岡剛介のブログ 優良な資産継承物語

不動産はその建物が竣工したその日から劣化していきます。

もっと言うと、工事中から部分的に徐々に劣化が始まります。

これはどうすることもできません。

だからと言って目を背けていい問題ではありません。

様々なオーナーさまのお話を聞いておりますが、この経年率を

無視しているオーナーさまが中にはいます。自分の不動産は、

あたかも新築であるかのように考えており、それが原因で

空室が長期化している場合もあるのです。

それを私は経年率と呼んでおります。建物を新築して、年数が

経過するとともに、その建物の価値は減少していきます。それは、

建物の躯体や設備はもちろんのこと、間取りや空間なども

経年と共に劣化(ニーズに合わない)していくものです。

例えば、不動産で経年していくものとして次のようなものがあると

考えております。

(経年率がかかるもの)

・躯体(外観・エントランス・共用部など)

・内装

・間取り

・建物の雰囲気(外構なども含む)

・募集条件(家賃・共益費・敷金・礼金など)

・募集方法

などがあると思います。これらが経年と共に劣化し、価値を下げて

いくのです。ということは、これらの項目について、経年に合わせて

対策を講じていけば、安定した賃貸経営を実現することができると

いうことです。

物件力については次のように考えています。

「物件力=当初の建物価値×再生率×経年率(+適正条件)」

建物は竣工したときから確実に劣化の一途を辿ります。もっと

言うと、工事中から部分的に劣化していくものです。これは、

地域性やオーナーさまの属性などには一切関係なく、どの

建物も同じようになります。

資産価値を高め、適正な家賃を得ようと思えば、それなりに

建物を再生していかないといけません。経年率に負けない

くらいの再生をしていかないと、建物の価値は減少していくものです。

このように考えて物件力をつけていくこと、回復していくことを

しなければこれからの賃貸市場では入居者に選んでもらうことは

できません。

今後、入居者とオーナーさまが直接出会うような時代になると、

この物件力(+適正条件)でその後の運営にも影響してきます。

物件力をつけず、家賃を下げ続けると、その物件の魅力は

“安い家賃”のみとなります。そのような物件に入居する方は、

それなりの属性の方しかおりません。

逆に、物件力をつけ、相場よりも若干高い家賃で経営を続けて

いくと、そのような魅力的な物件を選ばれる方はとても魅力的な

入居者さんに違いありません。

オーナーさまと入居者さんの間に仲介会社さんがいなくなると、

入居者審査なども甘くなり、満室することはできても、入居者同士の

トラブルやクレームに追われる日々がくるかもしれません。

ですので、賃貸市場の動向や将来性を考えても、これからの物件には

“物件力”が必要不可欠になってきます。

賃貸仲介会社さんのあり方は、今後大きく変わってきます。

今までは、お部屋探しに来るお客さまのニーズを聞き、

そのニーズに合った物件を探し、案内し、紹介(プレゼン)し、

成約する。このように仲介営業マンの仲介力(営業力)が、

みなさまオーナーさまの入居状況に大きく影響を与えて

いました。

しかし、これからは仲介力ではなく“物件力”の時代です。

なぜなら、何度もお伝えさせて頂いているように、今は

入居者希望者がインターネットなどを駆使して、自分で気に入る

物件を探してきます。仲介会社さんに行くときは、その決めた

物件の鍵を準備し、送迎してもらうためだけです。

ということは、少なくともインターネット上で検索し、目にとまる

物件でないと今後は厳しいということになります。ですので、

物件力(物件の力と適正な募集条件)が必要になるのです。

そう考えると、お部屋探しをしている方とオーナーさまが直接

出会う場があるとすると・・・。また、現地を直接案内するのか、

ある程度自由に見学してもらえるスキームが組めるとすると・・・。

最近では、そのようなオーナーさまと入居希望者が直接出会う

ためのプラットホームが整備されてきております。

賃貸市場の傾向としては、このような傾向になってきているので、

オーナーさまもこの動きを察知した上で、今後の賃貸募集の

あり方を考えていく必要があるのではないでしょうか。

少し特殊な事例としては、

“ブログ”

を活用しているオーナーさまもおられます。

どのようにしているかというと、アメーバブログで自分の

アカウントを作成し、そこで所有しているマンションの情報を

更新し続けているのです。

物件の募集条件はもちろん、室内外の写真であったり、

周辺環境や近所でのお祭り、イベントなどの情報を発信している

のです。これは、満室のときでも継続することができます。

更新頻度が高いということは、それだけ閲覧される方の目に

触れる確立も上がりますし、マッチングする可能性が高くなります。

また、そのブログだけではなく、他のポータルサイトへのリンクを

貼ることで露出を高めて、入居者を直接集めています。

最近では、

「仲介手数料0円で住める賃貸」とか「シェアハウス系」

の賃貸仲介専門のポータルサイトが数多く存在します。そのような

ポータルサイトにきた人が、ブログへ飛んでくる、というような仕掛け

をしたりしています。

これは、素人ではなかなか難しいことかもしれませんが、自分の

得意分野を活かしていくことが大切です。そう考えると、その方法は

無限大にあります。

これからはこのような時代になってきますので、オーナーさまも直接

入居者さんを囲い込むことを考えていく必要があるのです。

費用対効果を考えたときにとても効果があるものとして、

“募集看板”があります。

募集看板、と聞くと良いイメージをもっていないオーナーさまも

多いことと思います。仲介不動産会社さんが賃貸住宅に

貼り付けているものをイメージするからです。

物件によっては、あのような看板を5社も10社も貼っている

ものまであります。これは正直、マイナス効果です。看板を

貼っている仲介不動産会社さんにとっても何もメリットがありません。

1社だけに限定して貼るからこそ、業者さんとしては意味がある

ものです。同じ場所に5社も10社も看板があると、貼っている意味が

ありません。ましてや、建物の外観として大きなマイナス要因と

なるのです。

デザインは統一されていないですし、貼った後の強力な両面テープの

跡はあるし・・・。仲介不動産会社さんの看板を貼るのであれば、

所定の位置を決めること、1社に絞ることをお勧めします。

今回ご紹介している看板は全く違います。会社のPRをする看板ではなく、

物件をPRする看板です。ですので、内容として

・間取り(広さ)

・特徴(建物・お部屋・周辺環境など)

・暮らし方

・問い合わせ先(オーナーもしくは管理会社)

 ※これがとても大切で、そこで暮らすことでどのような生活を実現

  できるのか、ということを出来る限り鮮明にイメージさせることです。

このような内容で看板を作成します。

大きさは、1m角のほぼ正方形が多いです。建物やフェンスに貼るも

良し、植栽の部分に杭を立て掲示するもOK。とにかく“通りすがりの人の

目に留まる“とことに設置することです。

この看板で問い合わせを獲得したいのは、もちろん入居希望者さん本人

です。

実際に導入している効果としては、年間5件ほどの問い合わせがあります。

成約率は極端に高いです。問い合わせがあれば、ほぼ100%成約します。

案内の手間などはかかりますが、本来の形で仲介をしたときの出費を

考えると大したことはないと思います。

堺市のあるオーナーさまの例をご紹介します。

このオーナーさまは、満室の状態でも直接入居者希望者から

問い合わせがくるほどでした。後でご説明しますが、ここ数年で

その問い合わせ頻度もだいぶ減りましたが、まだまだゼロでは

ありません。

何をしているのかと言いますと、簡単なことです。

所有している賃貸マンションの外壁に“ノボリ”をあげているのです。

内容は問合せ先を書いているようなものです。3~4メートルほどの

サイズですので、通りを運転している方でも一目瞭然の状態です。

物件の前の通りが大きいかというと、そうでもありません。

これはエリア的な要素が関係してきます。ここの地域のように、

地域の中で移動する傾向の高い地域であれば、このような広告の

効果は非常に高いと思われます。しかし、外から人が入ってくるような

地域ではなかなか難しいかもしれません。

このように、ノボリを道路から見える位置に掲げていることで、

そこを通る入居希望者から問い合わせがくるのです。このように

ちょっとした工夫で、仲介会社を介さずに入居希望者を集めることも

できるのです。

仲介営業マンを介さずにオーナーさまの空室が埋まることの

メリットは様々あります。

(オーナーさまのメリット)

・広告料、業務委託費の削減

 ※オーナーさまによっては契約業務のみ委託する場合も

   あります。(1~3万円前後)

・入居者と面談可能

・直接交渉可能

(入居者のメリット)

・仲介手数料(家賃の50~100%)が不要

・初期費用を抑えられる

・直接交渉可能

というようなメリットがあります。このようなメリットが賃貸経営には

大きく影響してきます。

オーナーの皆様も、直接契約できる方が良いのは分かっているはず

です。しかし、どのようにすれば入居者と直接契約することができる

のか分かりません。

オーナーさまの中には、昔ながらの方法でこれを実現している方も

いれば、インターネットを活用して上手に実践されている方もおられます。

そのような方法をいくつかご紹介していきます。

仲介営業マンを介さずにオーナーさまの空室が埋まることの

メリットは様々あります。

(オーナーさまのメリット)

・広告料、業務委託費の削減

 ※オーナーさまによっては契約業務のみ委託する場合も

   あります。(1~3万円前後)

・入居者と面談可能

・直接交渉可能

(入居者のメリット)

・仲介手数料(家賃の50~100%)が不要

・初期費用を抑えられる

・直接交渉可能

というようなメリットがあります。このようなメリットが賃貸経営には

大きく影響してきます。

オーナーの皆様も、直接契約できる方が良いのは分かっているはず

です。しかし、どのようにすれば入居者と直接契約することができる

のか分かりません。

オーナーさまの中には、昔ながらの方法でこれを実現している方も

いれば、インターネットを活用して上手に実践されている方もおられます。

そのような方法をいくつかご紹介していきます。

仲介営業マンとの関係がこれからも大切です、とお伝え

させて頂きました。今までのような仲介営業マンとの

付き合い方だけでは不十分となる可能性があります。

また、仲介営業マンというのは、店舗を移動したり、別の

会社へ転職したりと、結構移動が多い職業であると言えます。

ですので、どの仲介営業マンと付き合うかが大切になります。

ここを間違えると、いくらいい付き合いができても、入居に

結びつかないということになります。

このように、今までのような関係性は必ず必要になりますが、

これからの募集形態は少しずつ変わってくると考えられます。

どのように変わっていくのでしょうか。

これからは入居者とオーナーさまが直接出会い、直接契約を

するようになるか、もしくはそれに近い形になると考えて

います。また、そういう方向にもっていかないと、今後の賃貸

経営も厳しくなると思われます。入居が決まるたびに、礼金など

が取りにくく、退去時には入居者が守られ、オーナーさまは

とても厳しい経営になります。

そうなると、少しでも出費となるものは削減しないといけません。

最近では、このような動きになりつつありますが、まだまだ

今までの風習の中で動いているのが現状です。

これから賃貸経営で長期的な視野でみた場合、今までの賃貸

市場の現実に捉われるのではなく、新たな方向性で、新たな

カタチを見出していくことが大切になります。

賃貸経営をしていく中で避けては通れないことが、

“入居”です。田んぼの真ん中にぽつんと建っている

アパートを除いて、ご所有の不動産の周辺には競合

する賃貸不動産がたくさんあると思います。

そのような状況の中で、入居者からオーナーさまの

物件を選んで頂かないといけないのです。

当り前のことですが、入居希望者(将来の入居者)を

オーナーさまの物件に案内するのは、仲介不動産会社の

営業マンです。ということは、必然的に、入居者に選ばれる

前にその営業マンに選んでもらわないといけません。

最近では、インターネットが普及していく中で、入居者が

容易に好きな物件をHP上で閲覧できるようになりました。

ですので、一昔前のような、店舗に物件を探しにくる、

という入居者は激減しております。入居希望者が内覧したい

物件をある程度決めた上で、仲介不動産会社で接客を

受けます。しかし、一方で仲介営業マンの力をあてにして

お部屋探しをしている方もいますし、内覧希望の物件は

決めて来ているが、他の物件を勧められてそちらに決める、

ということも現状として多々あります。

そう考えると、これからの時代も仲介営業マンとの関係は、

切っても切れない関係にあるのだと思います。

経営の極意~管理のカタチ~ 2014年6月24日 12:05 PM

ここまでお伝えしたように、これからはこの

“管理のカタチ”が賃貸経営をより価値のあるものにして

いくためのキーワードになります。

なぜかと言うと、運営次第で賃貸マンションには様々な物語を

作り出すことができます。逆に言うと、いくら素晴らしい企画を

しても運営するノウハウや力がなければ意味がありません。

今までマンション経営では、企画70%、運営30%ということが

言われていましたが、極端な言い方をすると、これからは逆転する

くらい運営が大切になってきます。

今はオーナーさまが自主管理でマンション経営が成り立っていると

思いますが、これからは自主管理では難しく、プロが運営していく

時代になってくると思います。

特に、駅から離れているとか利便性が悪い地域になればなるほど、

建物の力は弱くなります。建物の力をカバーするための対策は

必要ですが、限界があります。

そのような物件でも可能性を秘めているのが、運営になるのです。

建物の良し悪しに関わらず、運営方法次第では賃貸マンションに

入居者が溢れ、入居者がイキイキし、口コミが広がることも夢では

ないのです。

そのような運営ノウハウとスキル、人脈とネットワークを駆使して

いくことがこれからの賃貸経営には必要になってくるのです。