経営の極意~これからはテナントリテンション~ 2014年4月25日 4:23 PM
私が最近オーナーさまに口すっぱくお伝えしている
ことがあります。それは、
「これからの賃貸経営では、今までのように空室ができると
原因を分析し、対策を立て、実施する力は最低限必要です。
それ以上に大切になるのが、テナントリテンションを高める力
です。」と言って廻っております。
テナントリテンションとは、
“借りてもらう期間を延ばす”ということです。一度入居して
もらったら、1年でも長く、1ヶ月でも、1日でもというのが
オーナーさまの心情だと思います。
今までの賃貸経営では、
それは入居者の都合次第で、こちらではどうすることも出来ない!
と思っていませんでしたか。確かに、転勤などやむを得ない理由は
あると思います。しかし、オーナーとして何もせず、入居者の気分
次第で入退去を繰り返すような経営では、これからの賃貸市場で
生き残ることは難しくなってきます。
では、どうするのか。
それは、1日でも長く住んでもらえるような仕組み、サービスを提供
していくことです。賃貸経営は貸し手市場、リフォームすれば家賃
そのままで入居が決まる、というような話は過去の栄光です。
そこで、ここからは実際に賃貸管理などを通じて実践してきたことを
ご紹介させて頂きます。
経営の極意~所得税のカラクリ~ 2014年4月24日 4:22 PM
所得税対策として効果的なことが、
資産を組み合わせるということです。
もう少し説明すると、資産を組み合わせることで、
新たな減価償却を加えるということです。
減価償却費は以前もご説明したように、税務上
経費として計上することができます。
また、一般的には経年と共に減少していきます。
ですので、年数の経過に伴い新たな経費を
つくる必要があります。
そこで、新たな資産を購入するのです。新たな
減価償却費を購入するという考え方です。
減価償却費が増えると、税務上のキャッシュフローは
圧縮でき、税金を抑えることができます。
資産の組み合わせにより税金を圧縮すると共に、
新たに増えたキャッシュで先の賃貸不動産の繰上げ返済に
充てていきます。繰上げ返済をすれば、税金対策にもなり、
キャッシュフローがどんどんまわっていきます。
このように資産を上手に組み合わせて、資産全体で
考えていくことが大切です。
経営の極意~所得税のカラクリ~ 2014年4月23日 4:22 PM
簡単に説明すると、個人事業主でできる対策として、例えば
1)青色申告特別控除
2)小規模企業共済
などがあります。これはごくごく一般的な例です。
青色申告特別控除については、さきほどご説明をした通り
です。
小規模企業共済については、掛金月額は1,000円~70,000円
の範囲内で自由に選べます。払い込み方法も月払いか半年払い、
年払いから選ぶことができる共済制度です。
掛金については、全額課税対象から控除することができます。
気をつけないといけないのが、実際に手元からその分は支払わないと
いけない、という点です。
共済金を受ける際は、その発生事由により様々ですが、こちらからの
解約申し出については240ヶ月以降であれば、掛金を割ることは
ないかと思います。
共済金の税法上の取り扱いは、事由により退職所得扱いと一時所得扱い
に分かれます。ちなみに、解約を申し出た場合には、一時所得扱いと
なりますので、計画的に実施することが大切です。
経営の極意~所得税のカラクリ~ 2014年4月22日 4:21 PM
所得税対策として次に考えることは、運営が
始まった状態でいかに対策をするか、ということを
考えることが大切になってきます。
まず個人事業主であれば誰でもできることとして、
1)青色申告
があります。これは、毎年65万円を経費として計上
することができます。事業的規模としては、10室もしくは
戸建の場合は5棟という基準があります。この基準を
満たしているオーナーさまであれば、個人事業主として
青色申告をすることができます。
同じような考えで、所得税を抑えるためには
2)経費をつくる
ということもあります。経費の場合は、実際に出ていくお金
と減価償却費と言われる、実際には手元から出ていかない
お金があります。
また、個人と法人では違った対策を講じることができますので、
その点について詳細にみていきます。
経営の極意~所得税のカラクリ~ 2014年4月21日 4:21 PM
事業収支計画を立てる時点で、所得税(デッドクロス)まで
考えた事業計画を立てることができれば、様々なリスクを
把握し、事前に対策を打つことができます。
4)長期計画を立てる(デッドクロスを踏まえた計画)とありますが、
これができればベストです。しかし、賃貸経営をしていても、
入居率や情勢、税制などの変化を予期することはとても
困難です。
全ての計画で、当初立てた計画から寸分の狂いもなく、事業を
遂行できれば誰も苦労しません。そこに予期せぬことが起きたり、
賃貸経営特有の経年に伴うリスクに頭を抱えるのです。
ですので、長期計画を立てられる際にも、賃貸経営をする上での
様々なリスク(空室や家賃下落、金利上昇など)を検討して
おくことが大切です。
その中で、どのような対策が立てられるか、ということが重要に
なります。無理な計画を立てるのではなく、最悪のシュミレーションの
中での対策を考えることです。
計画前ならびに計画段階で考えられることは、これまでに説明して
きたような内容です。
あとは、運営しながら様々な対策を考えること、他の資産との組み合わせ
にて対策を講じていくことが大切になります。
経営の極意~所得税のカラクリ~ 2014年4月20日 4:21 PM
企画段階で考えられることの一つとして、
3)返済期間を短くする
ということがあります。
返済期間を短くするということは、毎月の
返済額が多くなります。また、短期でのお借入
になると、その分1回の返済額に占める利息分
の割合も高くなるので、申告上経費として計上
できる分が多くなります。
この対策に関しては、借入を短期にすることで、
税務上のリスクは改善されると思いますが、
キャッシュフローは圧迫される恐れが高いです。
税務対策はできたが、肝心のキャッシュフローが
残らないという事業になっては、何をしているか
分りません。ですので、事業の計画段階できちんと
シュミレーションをした上で、何年で借入をするのか、
ということを明確にしておく必要があります。
経営の極意~所得税のカラクリ~ 2014年4月19日 4:18 PM
2)元金均等返済で借入をするとどうなるかと言うと、
このような返済方法になります。
借入返済額に対する元金の割合がずっと一定に
なります。申告計算上では経費にできる利息についても
将来に向かって大きく変化することがありません。
その代わり初年度から、借入返済額に対する利息割合が
元利金等返済に比べて少ないので、所得税対策効果は
薄くなります。
ということは、デッドクロスは早くくるということです。ただ、
図でも分かるように、元利金等返済に比べて経年とともに、
大きく利息が減少するということがないので、減価償却費が
少なくなってくる15年以降でも、所得税の負担が大きくなる
ということはありません。
経営の極意~所得税のカラクリ~ 2014年4月18日 4:18 PM
所得税対策をもう少し詳しく説明していきます。
まず、
1)自己資金を多くする
ということは、借入を少なくするということです。
多くの場合、新築で建てるときはフルローン(満額融資)
から総事業費の90%の借入をし、また収益物件を購入
する場合でも、総事業費の90%~80%を借入で所有
します。
では、自己資金の割合を増やして、借入額を少なくすると
どうなるかというと、元利金の返済額が少なくなります。
デッドクロスの原因となる元金返済の額も根本的に少なく
なります。ですので、キャッシュフローに対する影響が
小さくなるということです。ですので、自己資金を多くする
ことが所得税対策の一つとなるのです。
これは企画の段階で、事業計画を立てる際に決めておく
必要があります。運営が始まってからでは、自己資金の
割合を調整することはできません。
その場合は、毎年キャッシュフローを貯蓄して、繰上げ
返済に充てていくという方法になります。
このように賃貸不動産の運営が始まり、いざ所得税が
高すぎて・・・という状況になってからではなく、事業計画を
立てるときから様々な税金のリスクを考慮した計画にする
ことをお勧めします。
経営の極意~所得税のカラクリ~ 2014年4月17日 4:17 PM
所得税は先ほども言いましたように、賃貸経営においては
つきものです。では、デッドクロスが起きて、所得税が上がって
いくことに対して、どうすれば良いのでしょうか。
それにはきちんと対策があります。対策は大きく分けて二つに
分けられます。
①企画段階での対策
②運営段階での対策
です。
①企画段階での対策については次の通りです。
1)自己資金を多くする
2)元金均等返済で借入をする(但し、デッドクロスの時期は
若干早まります。)
3)返済期間を短くする
4)長期計画を立てる(デッドクロスを踏まえた計画)
②運営段階での対策をご紹介します。
1)青色申告をする
2)経費(損金)をつくる
3)保険(共済)などで経費をかける
4)繰り上げ返済をする
5)新たな減価償却資産を購入する(築年数の浅い収益不動産
など)
6)ローンのリスケジュール(返済期間延長)をする
7)ローンの借り換えをして返済期間を延長する
8)売却し、新たに購入する
9)内部留保をデッドクロスに備える
経営の極意~所得税のカラクリ~ 2014年4月16日 4:00 PM
では、年々所得税負担が大きくなるカラクリを、
簡単なキャッシュフローツリーで説明していきます。
見るポイントとしては、手残り計算と申告計算では
経費に計上できる項目が変わってくるということです。
そこでの重要な項目が
・減価償却費
・元金の返済額
です。これを実際に数字でみていきます。
【手残り計算】
総潜在収入 810.0
▲空室損 45.0
▲滞納損 0.0
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
実行総収入 765.0
▲運営費 121.5
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
実際の収入 643.5
▲返済額(利息) 156.0
▲返済額(元金) 356.0
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
税抜き前CF 131.5
【申告所得の計算】
総潜在収入 810.0
▲空室損 45.0
▲滞納損 0.0
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
実行総収入 765.0
▲運営費 121.5
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
実際の収入 643.5
▲返済額(利息) 156.0
▲減価償却費 220.0
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
課税所得 267.5
上記の図式のような計算式になります。手残り計算と
申告所得の計算では、青色で囲んでいる部分が
項目として変わってきます。
この項目が経年とともに同じように減少したり、同じように
増加するのであれば問題はないのですが、これが真逆の
動きをすることがデッドクロスの大きな原因になります。
この事例のように、手残り計算では手元に131万円しか
残っていないのに、税務署に申告する所得では、267万円
も利益が出たということで申告しないといけないのです。
こうなってくると何が起きるかというと、所得税を支払うと
赤字になる、ということが起きてきます。これを“黒字倒産”
と言います。
このようになる前に対策をきちんと考え、不動産経営をしていく
ことが大切になります。