経営の極意~キャッシュフローツリー~ 2014年4月9日 3:49 PM
退去時の原状回復工事について、費用を抑える
方法として代表的なポイントが、
①床材を塩ビタイル(フロアタイル)に変える
②壁紙を漆喰塗りにする
③キッチンの表層にシートを張る
などがあります。
細かくはもっと色々な方法がありますが、分りやすい
例をご紹介します。
①については、塩ビで硬質の床材を使用することで、
クッションフロアのように、へこむということが少ない
です。ですので、凹んだから全面張り替えるという必要
がなくなります。また、材料も450角のものや、900×150
のようなフローリング調のものまであり、1枚ずつ張替えが
可能です。タバコのこげ跡があれば、その1枚を張り替えれば
済むのです。
②は漆喰仕上げにするというものです。現状のビニルクロスの
上からでも施工が可能で、調湿効果などもあります。
汚れた場合はサンドペーパーなどで表面をこすれば綺麗に
なります。破損した場合でも、その部分だけ塗れば良いので、
オーナーさまでも補修可能です。
③はキッチンの扉や本体側面、底面にシート(リアテックシート・
ダイノックシート)を張るという施工法です。これは、キッチンを
入れ替えると数十万円という費用がかかるのですが、
シンクなど水廻りがある程度きれいな状態であれば、
このようにシートを張るだけでも相当価値が蘇ります。
これらはごく一部の方法ですが、色々な工夫をして
原状回復工事費を抑えるということも考える必要があります。
経営の極意~キャッシュフローツリー~ 2014年4月8日 3:49 PM
最近の賃貸経営でトラブルになる代表的なものとして、
退去清算(原状回復工事の入居者負担額)です。
なぜトラブルになるかというと、国交省のガイドラインで
入居者の負担割合(償却について)が明示されたことと、
情報化社会で一般入居者でも容易に詳細な情報を
収集できるようになったこと、また弁護士などが無料や
安価に相談できるというようなことが影響しています。
オーナーさまは昔のように入居者に請求するが、
強引な内容であればあるほど入居者からは回収することが
困難になっています。
だからと言って退去の度に、全額オーナーさまが負担して
いると今度は経営ができなくなってきます。
ですので、退去清算についてはきちんとガイドラインに
即応した内容で請求をかけていくこと。
また、原状回復工事費を少しでも抑えられる仕組みを
考えることが大切になってきます。
原状回復工事費については、素材の選択などで、
退去時のランニングコストを抑えることができます。
経営の極意~キャッシュフローツリー~ 2014年4月7日 3:48 PM
賃貸不動産を新築する場合でも、既築物件を購入する
場合でも「原状回復工事費用」を試算しておくことが
大切です。
その際、ポイントとなるのが「平均入居年数」です。
ご所有の賃貸不動産に入居されて、平均して何年後に
退去するか、ということを明確にしておくことが大切です。
これは、正確な数字をとることは難しいですが、最寄の
賃貸仲介会社さまなどにヒアリングすると大まかな内容は
教えてくれます。
また、一般的には単身物件で2~4年、ファミリー物件で4~6年
と言われています。今回の場合は、原状回復工事費の
経費もキャッシュフロー計算の中で考えておきましょう、という
ことですので、リスクを高めにみておく方が良いと思います。
ですので、例えば単身であれば2年とすると、
(全戸数20戸・間取り1K(25㎡))
※原状回復工事費は1室あたり0.5万円/㎡で計算
・1戸あたりの原状回復工事費:12万円
・20室退去した際の合計:240万円
・1ヶ月に割り戻すと(240万円÷2年÷12ヶ月):10万円
となります。
ですので、事業計画書の経費として毎月10万円の出費(積立)を
想定しておくことが必要となるのです。
経営の極意~キャッシュフローツリー~ 2014年4月6日 3:48 PM
④運営比率については、15%から25%が目安と
なります。内訳は以前にご説明させて頂いたとおりで、
建物の大きさや設備の有無により、大きく違ってきます。
築年数が経過してくると、家賃収入は減少していきます。
そうすると、運営費が変動しない限りはこの運営比率は
どんどん高くなってきます。
そこで、経営が悪化してくる前に、きっちり運営費の内訳を
明確にし、削減できるところは見直していく必要があります。
日常清掃や定期清掃も業者を見直すことで抑えることが
できます。
また、業者や契約方法により大きく変わってくるのが、
EV点検費用です。契約形態としては大きく2つあり、
①フルメンテナンス契約
②スポット契約
の2種類です。EVの状況や築年数をみながら、契約形態を
見直すことと、業者についてもメーカー系なのか、非メーカー系
なのかで大きく変わってきます。
次にご説明するのが、原状回復工事費についてです。
ここについては、詳しく説明していきます。
経営の極意~キャッシュフローツリー~ 2014年4月5日 3:48 PM
③損益分岐点については、どこまで空室や家賃下落、
滞納損失が起きて収入が下落しても、経営が成り立つか、
という指標です。
賃貸経営でオーナーさまの手元から出ていくお金としては、
運営費(電気代や水道代、固定資産税、EV保守点検など)や
所有当初にお借入をしている場合は、借入返済額などが
あります。
これからの出費いついては、どんな状況になっても、
その賃貸不動産の収入から支払っていかなければなりません。
例えば、空室が増加し賃貸不動産に必要な運営費を払え
なければ、健全な経営はできませんし、入居者に喜んで
もらえるような住空間を提供することはできません。
ましてや、同じ理由で借入返済額を支払うことができなくなれば、
金融機関にその不動産をとられてしまう、ということも起きて
きます。
この損益分岐点が低ければ低いほど、そういったリスクは低く、
逆に値が高くなるとリスクが高い事業であるという判断ができます。
損益分岐点70%というのは、空室や家賃下落、滞納損失で
収入が70%まで低下しても出費をまかなうことができます、という
意味を指しています。
経営の極意~キャッシュフローツリー~ 3:47 PM
②返済比率については、新築計画当初で基準は50%以下を
目安とします。この返済比率が50%を超えているということは、
その賃貸不動産の収入に対して、返済の割合が大きすぎるという
ことです。
ですので、家賃下落や空室の増加に伴い、家賃収入が減少した
ときに返済が厳しくなるということです。この値が高い場合には、
1)収入を増やす
2)返済額を下げる(金利を下げる・期間を延ばす・繰上げ返済をする)
などといった対策を講じる必要があります。
収益不動産の購入などの場合でも、同じようにこのような指標を
もとに、経営状況を分析し、購入額や借入額、借入条件などを
検討することが大切です。
経営の極意~キャッシュフローツリー~ 2014年4月4日 3:47 PM
それぞれの指標の説明をしていきます。
まず、先ほどの(安全性)の観点でみていきます。
①安全率(返済倍率)については、土地活用で1.5以上、
収益不動産投資でも1.3以上はあった方が安全です。
これは、お借入の返済額の何倍マンションの実行総収入が
あるかということを示しています。この値が低いという
ことは、返済原資となる収入が少なすぎますので、
返済リスクが高いということになります。この指標のみで
考える場合の対策としては、
①収入を増やす
1)家賃を上げる
2)空室を減らす
②運営費を下げる
1)ランニングコストを下げる
2)固定資産税を下げる
③借入返済額を減らす
1)金利を下げる
2)期間を延ばす
実際は、他の指標と組み合わせてどこに問題があるかを
明確にしていきます。
経営の極意~キャッシュフローツリー~ 2014年4月3日 3:46 PM
キャッシュフローツリーでみえてくることに、
もう一つ(効率性)があります。
効率性は、事業としての投資効率がどれだけあるか、
ということを示します。これが分かれば、この事業を
してどれだけの投資効果がある事業なのか、投資として
効率が良いのかということがみえてきます。
効率性を分析する指標は次のようにします。
(効率性)
①表面利回り=マンションの潜在的な総収入÷総投資額×100 ⇒ 10%以上
※最低9%以上で9%を割ると少し見直す必要があります。
②ネット利回り=税引き前CF÷総投資額×100 ⇒ 7%以上
※最低6%以上を指標としてください。
③ローン定数=借入返済額÷借入額×100 ⇒ 5%以下
※一つの目安は借入額1億円、30年、2.5%で
ローン定数4.71%となります。
④キャッシュフロー利回り=税引き前CF(積立金控除後)×100 ⇒ 3%以上
このような指標を元に効率性を明確にすることが
大切です。
経営の極意~キャッシュフローツリー~ 2014年4月2日 10:46 AM
キャッシュフローツリーを毎年作成し、
経営を分析していくことが大切です。このように
分析をしていくことで経営状況の推移がみえて
きます。
この分析をしていく中でそれぞれポイントとなる指標が
あります。それについて簡単にご説明させて頂きます。
(安全性)
①安全率=税引き前CF÷借入返済額 ⇒ 1.3以上
※土地活用の場合は、計画当初で1.5以上は必要です。
②返済比率=借入返済額÷マンションの潜在的な総収入×100 ⇒ 50%以下
※計画当初で40%前後、既存の経営でも50%前後を目安に
する必要があります。
③損益分岐点=(運営費+借入返済額)÷マンションの潜在的な総収入×100
⇒ 70%
④運営費比率=運営費÷マンションの潜在的な総収入×100 ⇒ 15%~25%
1)ビルメンテナンス費=10~15%
2)リフォーム積立金=5%
3)管理委託料=5%
※ビルメンテナンス費については、EVのない物件で10%前後、EVがある物件
で15%前後を基準と考えます。
※合計が30%を超えると危険な状況ですので、
運営費の削減などを検討する必要があります。
このように、安全性についての指標をもとに
経営のどこに問題があるのかを分析していきます。
キャッシュフローツリーを作成することで問題点が
全て浮き彫りになってくるのです。
経営の極意~キャッシュフローツリー~ 2014年4月1日 5:36 PM
賃貸経営を分析するときに用いるのが、
「キャッシュフローツリー」です。
賃貸経営では、家賃収入が入って、そこから
空室や滞納による減収、また建物など維持・
管理していくための経費が出ていきます。
また、お借入をされている方については、
その返済額を金融機関に支払います。
そこから、長期修繕のための積み立て金などを
ストックしていき、最終的に所得税を
支払うということになります。
本来は賃貸経営をしているオーナー様は、みんな
このように毎月、毎年分析していくべきなのです。
これを継続していくと、家賃が下がってるとか、
空室が多いというようなことばかりに頭を
悩ませることも減り、早期段階で様々な対策を講じる
ことができるのです。
(キャッシュフローツリー)
マンションの潜在的な総収入
▲空室損失
▲滞納損失
▲運営費(固・都税含む)
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マンションの実行総収入
▲借入返済額
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税引き前キャッシュフロー(積立金控除前)
△長期修繕積立金
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税引き前キャッシュフロー(積立金控除後)
▲所得税
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税引き後キャッシュフロー