北岡剛介のブログ 優良な資産継承物語

③損益分岐点については、どこまで空室や家賃下落、

滞納損失が起きて収入が下落しても、経営が成り立つか、

という指標です。

賃貸経営でオーナーさまの手元から出ていくお金としては、

運営費(電気代や水道代、固定資産税、EV保守点検など)や

所有当初にお借入をしている場合は、借入返済額などが

あります。

これからの出費いついては、どんな状況になっても、

その賃貸不動産の収入から支払っていかなければなりません。

例えば、空室が増加し賃貸不動産に必要な運営費を払え

なければ、健全な経営はできませんし、入居者に喜んで

もらえるような住空間を提供することはできません。

ましてや、同じ理由で借入返済額を支払うことができなくなれば、

金融機関にその不動産をとられてしまう、ということも起きて

きます。

この損益分岐点が低ければ低いほど、そういったリスクは低く、

逆に値が高くなるとリスクが高い事業であるという判断ができます。

損益分岐点70%というのは、空室や家賃下落、滞納損失で

収入が70%まで低下しても出費をまかなうことができます、という

意味を指しています。

②返済比率については、新築計画当初で基準は50%以下を

目安とします。この返済比率が50%を超えているということは、

その賃貸不動産の収入に対して、返済の割合が大きすぎるという

ことです。

ですので、家賃下落や空室の増加に伴い、家賃収入が減少した

ときに返済が厳しくなるということです。この値が高い場合には、

1)収入を増やす

2)返済額を下げる(金利を下げる・期間を延ばす・繰上げ返済をする)

などといった対策を講じる必要があります。

収益不動産の購入などの場合でも、同じようにこのような指標を

もとに、経営状況を分析し、購入額や借入額、借入条件などを

検討することが大切です。

それぞれの指標の説明をしていきます。

まず、先ほどの(安全性)の観点でみていきます。

①安全率(返済倍率)については、土地活用で1.5以上、

収益不動産投資でも1.3以上はあった方が安全です。

これは、お借入の返済額の何倍マンションの実行総収入が

あるかということを示しています。この値が低いという

ことは、返済原資となる収入が少なすぎますので、

返済リスクが高いということになります。この指標のみで

考える場合の対策としては、

①収入を増やす

 1)家賃を上げる

 2)空室を減らす

②運営費を下げる

 1)ランニングコストを下げる

 2)固定資産税を下げる

③借入返済額を減らす

 1)金利を下げる

 2)期間を延ばす

実際は、他の指標と組み合わせてどこに問題があるかを

明確にしていきます。

キャッシュフローツリーでみえてくることに、

もう一つ(効率性)があります。

効率性は、事業としての投資効率がどれだけあるか、

ということを示します。これが分かれば、この事業を

してどれだけの投資効果がある事業なのか、投資として

効率が良いのかということがみえてきます。

効率性を分析する指標は次のようにします。

(効率性)

①表面利回り=マンションの潜在的な総収入÷総投資額×100 ⇒ 10%以上

 ※最低9%以上で9%を割ると少し見直す必要があります。

②ネット利回り=税引き前CF÷総投資額×100 ⇒ 7%以上

 ※最低6%以上を指標としてください。

③ローン定数=借入返済額÷借入額×100 ⇒ 5%以下

 ※一つの目安は借入額1億円、30年、2.5%で

ローン定数4.71%となります。

④キャッシュフロー利回り=税引き前CF(積立金控除後)×100 ⇒ 3%以上

このような指標を元に効率性を明確にすることが

大切です。

キャッシュフローツリーを毎年作成し、

経営を分析していくことが大切です。このように

分析をしていくことで経営状況の推移がみえて

きます。

この分析をしていく中でそれぞれポイントとなる指標が

あります。それについて簡単にご説明させて頂きます。

(安全性)

①安全率=税引き前CF÷借入返済額 ⇒ 1.3以上

 ※土地活用の場合は、計画当初で1.5以上は必要です。

②返済比率=借入返済額÷マンションの潜在的な総収入×100 ⇒ 50%以下

 ※計画当初で40%前後、既存の経営でも50%前後を目安に

する必要があります。

③損益分岐点=(運営費+借入返済額)÷マンションの潜在的な総収入×100

 ⇒ 70%

④運営費比率=運営費÷マンションの潜在的な総収入×100 ⇒ 15%~25%

 1)ビルメンテナンス費=10~15%

 2)リフォーム積立金=5%

 3)管理委託料=5%

 ※ビルメンテナンス費については、EVのない物件で10%前後、EVがある物件

で15%前後を基準と考えます。

 ※合計が30%を超えると危険な状況ですので、

運営費の削減などを検討する必要があります。

このように、安全性についての指標をもとに

経営のどこに問題があるのかを分析していきます。

キャッシュフローツリーを作成することで問題点が

全て浮き彫りになってくるのです。

賃貸経営を分析するときに用いるのが、

「キャッシュフローツリー」です。

賃貸経営では、家賃収入が入って、そこから

空室や滞納による減収、また建物など維持・

管理していくための経費が出ていきます。

また、お借入をされている方については、

その返済額を金融機関に支払います。

そこから、長期修繕のための積み立て金などを

ストックしていき、最終的に所得税を

支払うということになります。

本来は賃貸経営をしているオーナー様は、みんな

このように毎月、毎年分析していくべきなのです。

これを継続していくと、家賃が下がってるとか、

空室が多いというようなことばかりに頭を

悩ませることも減り、早期段階で様々な対策を講じる

ことができるのです。

(キャッシュフローツリー)

マンションの潜在的な総収入

▲空室損失

▲滞納損失

▲運営費(固・都税含む)

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マンションの実行総収入

▲借入返済額

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税引き前キャッシュフロー(積立金控除前)

△長期修繕積立金

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税引き前キャッシュフロー(積立金控除後)

▲所得税

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税引き後キャッシュフロー

賃貸経営ではここが“ミソ”になります。

賃貸経営をしていると、

・空室が多くなった

・家賃が下がった

・滞納で困っている

・変な入居者がいる

などといった、ことで頭を悩ませているオーナー様が

ほとんどです。

しかし、そんなことって賃貸経営の経営から考えると

大きな問題ではないのです。そこに根本的な問題がある

場合もありますが、まずは経営からみてどこが問題かを

考えることが必要です。

経営を考えたり、分析したりするときに用いるのが

キャッシュフローツリーです。これは簡単ですので、

オーナー様なら誰でもできると思います。

詳しい計算などは後ほどご紹介します。

賃貸経営を一つひとつ紐解いて、分析し、問題が

どこにあるのかを明確にすることから経営改善は

始まります。

ここで面白い話をします。

借入返済の金額の内訳は

・元金

・利息

の合計を毎月お支払していると思います。

ということは当たり前のことですが、元金と

利息の合計金額を手元からお支払している

ということです。

しかし、申告上の計算では利息のみしか

経費として算入することができません。

元金は元々金融機関から融資を受けて、借りた

お金だからその分は経費としては見ませんよ、

ということです。

手元からは元金も出ているのに、経費として

計上できるのは利息のみ。

元利金等返済方式の場合は、その利息も支払年数が

経過すればするほど、支払額は減少していきます。

ということは、経費計上できる利息分が減少して

いくということです。

これが後でもご説明しますが、

「デッドクロス」

という黒字倒産を引き起こす原因となります。

ですので、借入額や金利、返済方法、繰上げ返済

をするのかなどをきちんと検討することが大切に

なってくるのです。

すでに賃貸経営をしている場合は、既存の借入に対する

返済額を抑えることも一つ経営改善になります。

既存借入返済額を抑える方法としては

①金利を交渉する(既存借入先で下げる)

②繰り上げ返済をする

③借り換えにより金利を下げる

④借り換えにより借入期間を延長する

⑤リスケジュールをする(既存借入先で延ばす)

という大きく5つの方法があります。

②~④に関しては、金融機関とのお借入当初の契約内容

によっては、繰り上げ返済をする場合に違約金が

必要になる場合がありますので、違約金を支払った上で

どうなるのか、ということを考えないといけません。

たいていは、借り換え先の金融機関さんがシュミレーションを

してくれますので、それを参考に

毎月の返済額がいくら軽減されて、

違約金を含めて総返済額がいくらになるのか、

ということを検討する必要があります。

このように月々の返済額を見直すことでCFという

観点での経営改善は可能になります。

金融機関からの資金調達と言っても様々な金融機関が

あります。それぞれに特徴があるので、簡単にご説明

します。

金融機関の種類としては大きく4つあります。

①国の機関

②メガバンク

③地方銀行

④信用金庫・信用組合など

この4つの中でもそれぞれの金融機関により得意とする

ところや条件には差異がありますが、大まかにご説明する

と次のようになります。

①国の機関

 (融資額)事業費のほぼ100%

 (期間)最長35年

 (金利)1.3~2.5%

 ※15年固定と35年固定から選ぶことが可能です。

 (その他)一般的な賃貸住宅の場合は様々な条件があります。

②メガバンク

 (融資額)事業費の約70~80%

 (期間)建物構造の法定耐用年数以内

 (金利)1.0~2.0%前後