北岡剛介のブログ 優良な資産継承物語

借入返済金については、運営費という表現はおかしい

かもしれませんが、経営をする上ではとても重要な要素に

なります。

賃貸物件を新築または購入される際に、金融機関からの

お借入をされる方が大半だと思います。

借入をすると返済がついてきます。

当り前のことですが、借入というのは大きく3つの要素で構成されています。

(借入の構成要素)

①借入額(融資額)

②借入期間

③金利

※この3つとは別に特約や条件などがある場合がございます。

毎月の返済額を抑えようと思えば、

①借入額を減らす(自己資金を増やす)

②期間を延ばす

③金利を下げる

ということをすれば返済額を減らすことができます。

①については、自己資金に余裕のある方はできますが、そうでない方に

ついては難しいかと思います。

自己資金を増やすことができれば、その事業の

リスクは減りますが、総合的な資産バランスに問題がでる場合があります。

②は建物の構造、耐用年数によりある程度は決まってきます。

③が格差が出る大きなポイントです。次は金利について説明していきます。

不動産を所有していると必ず必要になるのが、

この「固定資産税・都市計画税」です。

ここを下げることを考えるオーナー様は少ないかと思います。

日本の景気や不動産の価値の変動により、

所有している不動産の評価が変動し、それに伴い

見直しの時期に固定資産税などが下がったり、上がったり

することはあります。

物件によっては建物の固定資産税を下げることが

できる場合があるのです。

下げるというよりは、“適正化”するということです。

これは新築当初の評価方法に間違いがないかを検討し、

手違いで高い評価がされている場合に適正化するという

ことです。

ですので、図面を元に一から評価をしなおすということです。

固定資産税を適正化できる物件としては、様々な条件があり、

・物件規模が大きいこと(新築当初3億円以上)

・平面プランが複雑なこと

など検討する前の段階でいくつかの壁があります。

見直すことが出来ない、と思われるような経費(出費)でも、

一度検討してみることでより良い経営が可能になるかも

しれません。

これは賃貸マンションにより異なりますが、EVがある場合は

その維持、管理費用が必要になります。

EVの点検は大きく2つの契約形態があります。

「フルメンテナンス契約」と「POG(スポット)契約」です。

この契約方法の違いも大きく経費に影響してきます。

まずフルメンテナンス契約については、EVの故障があっても

全てその管理会社が負担してくれるということです。

故障箇所や原因により負担区分が変わる場合がありますので、

詳しく説明を聞かれることをお勧めします。

EVの故障によるオーナー様の負担(リスク)がない代わりに、

管理費用は高コスト体質になります。

これとは反対に、POG(スポット)契約にすると、管理費用は

低コストで済みます。

しかし、EVの故障や部品の交換などは、その都度オーナー様の負担となります。

このような契約形態を見直すことと、あとはEV管理会社についても、

メーカー系の業者なのか、それとも下請けの末端の業者なのかという

ことを見直すことでも月々のランニングコストを適正化することが

可能になります。

電気代も削減できる一つのポイントです。

賃貸マンションの共用部電気代はごく限られてきます。

(共用灯)

電球や蛍光灯をLEDに取り替えることで電気代を大きく削減する

ことができます。

また、LEDの寿命は長いので、電気代の削減だけ

ではなく、交換費用、手間の削減にもつながります。しかし、

LED灯に対する初期投資が必要になります。

また、LED専用の台もありますが、既存の台を利用することも可能です。

(EV動力)

マンションにEVがある賃貸マンションの場合は、EVの動力電力が大きな

電気代になります。

この場合、パワーブレーカーを設置し、契約電力を

変更することにより電気代を抑えることが可能です。

(給水ポンプ動力)

受水槽のポンプなどが存在する場合も、動力電気代が発生します。

これに関しては、給水の本管から直接引込み、ポンプを使わずに

各部屋に給水する方式に変更することができれば、電気代を削減

することができます。

ここで注意が必要ですが、地域性や建物の階数、戸数により

出来る物件と出来ない物件がありますので、調べてみる必要が

あります。

経費を見直すには、大きく2つの方法があります。

一つは「業者や方法を変える」ことと、

もう一つは「抜本的に変える」ことです。

まずは、「日常清掃・定期清掃」についてご説明します。

賃貸マンションを長期に渡り所有、経営していく上で

必要になる業務です。

最も経費を抑える方法としては、

オーナー様がご自身で清掃業務をすることです。

しかし、全てのオーナー様がそういうわけにはいかないので、

清掃業者に任せるケースが多いと思います。

そのような業者を見直すことで、物件規模にもよりますが、

月々5000円から10,000円の見直しが可能になります。

または、シルバー人材派遣に依頼することも一つです。

大阪では1時間あたり800円前後で依頼することも可能です。

業者の見直しにより経費を削減できたとしても、建物が

綺麗に維持されていないと意味がありません。

ポイントとしては、金額は下がったけど清掃時間が2時間から

1時間に減っていたり、週3回のところが週2回になっている

場合があるので注意してください。

また、業者の見直しではなく建物のグレードアップで清掃を簡易に

できる仕様にすることでの削減も可能です。

例えば、共用廊下の床に“ノンスリップシート”を貼るなどがあります。

このような方法で見直しをすることができます。

賃貸経営における経費(出ていくお金)はいくつかあります。

一つは「運営費」です。マンションの規模により変わりますが、

例えば日常清掃や定期清掃、共用部電気代、共用部水道代、

EV点検費用、EV動力電気代、受水槽点検、給水ポンプ点検、

給水ポンプ動力電気代、消防設備点検などがあります。

二つめは「固定資産税・都市計画税」です。

これは、土地と建物を所有していると必然的に課税されるもの

ですので、どのようなオーナー様が所有しても同じように

課税されます。

三つめは「借入返済金」です。建物を新築または購入されたときに

金融機関からお借入をされたオーナー様のみになります。

大半のオーナー様は金融機関からお借入をするケースが多いと

思いますので、この点も見直す要素がいくつかあります。

最後に、賃貸経営をする上であまり気にされないオーナー様が多い

のですが、税引後キャッシュフロー(税引後の手残り)で考えると

「所得税」も一つ経営を改善するための大きなキーワードになります。

あとで詳しくご紹介しますが、築年数が経つほど経営に大きな影響を

及ぼしてきます。

これらの出ていくお金を把握して、それぞれをどのようにして抑えていくか、

ということを考える必要があります。

経営の極意~経費を下げる~ 2014年3月17日 9:32 AM

これまでに、

「単価(家賃)を上げる」

「入居率を高める」

「テナントリテンションを高める」

ということで、いかに収入を増やすかということが大切です、

とお話させて頂きました。

収入が最大化できれば次に考えることは

「経費を下げる」ということです。

なぜ経費を下げることまで考えないといけないかというと、

これからの賃貸経営では“キャッシュフロー”が重要になって

くるからです。

もともと、昔から賃貸経営というのは経営ですので、

キャッシュフローを考えながら経営をすべきものですが、

少し前まで何もしなくても入居が入っていました。

需要より供給が多いという時代が続いておりました。

経営をする中で、変な話ではありますが、

何も考えなくて良かったのです。

しかし、これからの賃貸経営はそんなに甘くありません。

オーナー様が一人の経営者として、マンション=会社という考え方で

経営を考える必要がでてきます。

ここからいくつかの経費を下げるポイントや具体的な方法を

ご紹介していきます。

ちょっと特殊な事例をご紹介します。

とある学生が多い地域に賃貸マンションを所有しており、

入居者の80%以上が学生。

そこで、オーナー様が実践されていることは、

「入居者限定!コピー機の無料利用」

です。

※実はコピー機の横に良心市のように箱は置いてあります。

学生さんって結構、コピーを利用することが多いわけです。

そこで、エントランスに業務用コピー機を設置し、

入居者さんは無料で利用できるようにしています。

本来であれば、コンビニまで行かないといけないとこを

マンションのエントランスで出来る。

このようなマンションってなかなかないです。

しかし、ちょっとしたアイデアで入居者さんの生活利便性は上がります。

ましてや、社会人であっても書類のコピーができることは

マイナスではありません。

このように、入居者さんの生活をいかに良くするか、ということを

日々考え、少しの工夫で入居者満足を実現することができるのです。

長期優良入居者を優遇してあげることです。

例えば、分かりやすく言うとポイント制にします。

<ポイント獲得方法>

①1年間滞納なく、近隣トラブルなくご入居頂いた場合・・・1ポイント

②入居者を紹介して頂いた場合・・・3ポイント

③1年間建物の定期点検の代行・・・1ポイント

など、優良な入居者にはポイントが溜まる仕組みをつくることです。

これらのポイントが溜まると

<ポイント還元内容>

①1ポイント・・・家賃○○%還元(1ヶ月)

②2ポイント・・・ウォシュレット取り付け、家賃○○%還元

③3ポイント・・・家賃○○%還元

④4ポイント・・・家賃○○%還元

⑤5ポイント・・・畳表替え、カラン取替え

という形で優良に長く住んで頂けば頂くほど還元される仕組みを

つくることで、テナントリテンションを高めることができます。

そうすることで、入居者も意識的に生活されるようになります。

これは結構嫌がるオーナー様も多いようですが、

「アンケート」をとることです。

入居者さんと普段から顔を合わせているオーナー様であっても、

入居者さんは思っていることを言わない場合が少なくありません。

あまり、アンケートを実施するとクレームや譲歩しないと

いけないことが発生するのではないか、

と考えられるオーナー様が大半です。

しかし、小さな不満が溜まって急に退去されるくらいなら、

覚悟を決めて入居者さんのナマの声に最大限応えた方が得策

と言えるケースが多々あります。

参考までに、実際のアンケートの声をご紹介します。

<入居者さんの声>

①家賃を少し下げてもらえないか検討してほしい

②畳を替えてもらえないかな

③トイレにウォシュレットを取り付けたい

④建具の動きが悪い

⑤洗面台の蛇口から少し水漏れがしている

⑥上の階が日曜日になるとうるさい

などがあります。

よくよくみてみると、オーナー様の大きな出費に

つながることは少ないように思います。

家賃を下げることについても、検討してくれると有難い、

というようなスタンスですので、少しでも下げてあげると大変喜ばれます。

退去されて、次の募集のためのリフォームや

広告料(家賃の2ヶ月分)を考えると

今、手を打つ方が良いのです。