経営の極意~建物管理のポイント~ 2014年7月11日 9:30 AM
・木造
木造アパートにおいては、目視が中心となります。
木造の部分的な鉄部に関しては、以前にご説明した
ものと同じです。周期は6年が目安となります。
建物本体については、瓦が割れていないかの確認が
必要です。瓦が割れていたり、また、その接着剤が劣化
していると雨漏れの原因になりかねません。
外壁については、材料によります。築30年以上の建物で
多いのが、塗り壁です。塗り壁の場合は、外壁面にクラック
(ひび割れ)が入っていないか、手で表面を触ったときに
色がついてこないか、などのチェックが必要です。
クラックがあると、これも水漏れの原因となる場合が多く
あります。
観点は変わりますが、木造アパートで問題になるのが、
耐震問題です。これは、劣化とともに増々危険な状態に
なってきます。
また、劣化以外にも目視でチェックするだけで、その危険性が
分かるポイントがありますので、ご紹介いたします。
経営の極意~建物管理のポイント~ 2014年7月10日 9:29 AM
・鉄骨造
鉄骨造は他構造の建物とチェックするポイントが変わって
きます。
特に注意すべきポイントが“コーキング”です。鉄骨造でも
特に外壁をALCで仕上げている建物は注意が必要です。
この構造の場合、外壁材(ALC)を接合しているのは
コーキングです。一般的なコーキングは経年と共に劣化
していきます。特に風雨や日光にさらされる箇所については
劣化が著しいです。このコーキングが痩せて割れてくると、
雨漏れの原因になります。
また、その外壁材自体も日光が直接当たるような場所では、
劣化が進み、割れてきます。その割れから外壁材の中に
水が回ると、中の金属が錆びて大変なことになります。この
外壁材も指で触って粉のようなものが指に付着すると、劣化が
進んでいるということになります。
あとは、鉄部などは他構造の建物と同じようにチェックが必要
です。
今では、このようなALC材でも長寿命のコーキングや外壁材と
コーキングの上から塗る塗料で、長寿命の材料がいくつか
出ています。修繕の際は、そのような工夫をすることで建物を
より良い環境で維持管理していくことができると思います。
経営の極意~建物管理のポイント~ 2014年7月9日 9:28 AM
次は屋根です。屋根は本来、防水処理をしています。この
防水処理も様々であり、シート防水やウレタン防水など
施工方法は色々あります。屋根は特に日差しが直接あたり、
風雨にさらされる場所でもあります。ですので、防水が割れたり、
膨らんだりして、そこから水が廻り、躯体を劣化させるという
ことに繋がっていきます。防水材が破れてたり、膨らんでいると
補修を考えるタイミングだと考えられます。
次に外壁やサッシ廻りの目地です。ここには本来コーキングと
言われるもので防水処理されています。これは施工当初は
弾力のある素材ですが、日光や風雨の中で経年と共に硬化して
きます。また、年数が経つにつれて収縮してきて、やせ細って
きます。そうなると、その隙間から水が入って躯体に影響を
与えるとか、室内への水漏れの原因となります。チェックする
ときは、目地材を指で触り、指に白い粉が付着すると修繕の
タイミングです。これが悪化すると、指で触っただけで、ボロボロと
落ちるような状態になります。ここまでいくと漏水がいつ起きても
おかしくない状況です。ですので、そうなる前に対処が必要です。
あとは、構造に関係してこないのですが、鉄部です。例えば、
階段手摺やパイプスペース扉、玄関枠、共用灯の台座などが
代表的なものとして挙げられます。
表面的な錆であればサンドペーパーなどで表面の錆を落とし、
錆止め、仕上げと塗れば復旧しますが、これが鉄の中まで
腐食しているとそのような補修では復旧できません。鉄部を
守るという意味でも、また入居という意味でも鉄部のチェックも
大切になってきます。
経営の極意~建物管理のポイント~ 2014年7月8日 9:27 AM
建物管理のポイントについて詳しくみていきます。
①躯体の劣化度については、大きく構造に分けて3つの
見方があります。
・鉄筋コンクリート造
鉄筋コンクリート造の場合、大切なことが躯体(コンクリート)
の中に水が入らないことです。コンクリートの中には鉄筋が
入っており、その鉄筋まで水が廻ると、鉄筋が錆、膨張して
コンクリートを内側から破壊してしまうリスクが高くなります。
どこから水が入るかというと、クラック(ひび割れ)です。
クラックにも様々ありまして、割れの細いヘアークラックと言う
ものから、大きな割れで致命傷尾に至るものまで様々です。
ヘアークラックであれば、躯体に対して大きな問題はありませんが、
大きなクラックは、そこから水が浸透する可能性が高いと
思われます。
次に、軒裏の腐食です。バルコニーの裏側や共用廊下の天井
などがそこにあたります。特にバルコニーなどは防水処理を
行っていない建物もありますので厄介です。これも躯体に水が浸透
すると、劣化の原因となります。目視で白く変色していたり、
水の跡が残っていれば、補修をする必要があります。
外壁にタイルを張っている場合には、そのタイルが浮いていないか、
ということも大切です。これは、金属でタイルの表面をなでるように
叩くと、高い音がする箇所が出てきます。それはタイルが浮いて
いる証拠です。タイルが落ちて入居者さんや通行人に怪我を
させると大変なことになりますので、張り替えるなどの対応が
必要になります。
経営の極意~建物の価値には“経年率”がかかる~ 2014年7月7日 9:26 AM
これまでの建物管理では運営はできない、と考えています。
建物管理というと、定期清掃や日常清掃、各種法定点検などを
思い浮かべると思います。確かに、間違ってはおりませんし、
これらのことは重要な要素です。
しかし、建物というのはそれだけでしょうか。他に維持、管理する
べきものはないのでしょうか。あるんです。
建物の構造によりチェックするべきものは変わってきますが、大部分は
変わらないものです。
(建物チェック)
①躯体の劣化度
・鉄筋コンクリート造:白華現象、タイル浮き、割れ、コーキング目地、屋上防水など
・鉄骨造:ALC目地・サッシ廻りコーキング、ALC劣化など
・木造:外壁塗り材の劣化、屋根(瓦)割れなど
②配管(給水、排水)
➂共用設備(EV・ポンプ・受水槽・共用灯など)
などが主なものとしてあげられます。
では、これまでの賃貸管理(建物管理)でここまでチェックし、
アドバイスをしてくれる管理があったかと言うと、少ないと思います。
これは、入居が決まる決まらないという話ではなく、その建物自体の
価値、運営に関わることになってきます。
ですので、建物管理をしていく中で、必要不可欠な要素になって
くるのではないでしょうか。
経営の極意~建物の価値には“経年率”がかかる~ 2014年7月4日 12:11 PM
不動産はその建物が竣工したその日から劣化していきます。
もっと言うと、工事中から部分的に徐々に劣化が始まります。
これはどうすることもできません。
だからと言って目を背けていい問題ではありません。
様々なオーナーさまのお話を聞いておりますが、この経年率を
無視しているオーナーさまが中にはいます。自分の不動産は、
あたかも新築であるかのように考えており、それが原因で
空室が長期化している場合もあるのです。
それを私は経年率と呼んでおります。建物を新築して、年数が
経過するとともに、その建物の価値は減少していきます。それは、
建物の躯体や設備はもちろんのこと、間取りや空間なども
経年と共に劣化(ニーズに合わない)していくものです。
例えば、不動産で経年していくものとして次のようなものがあると
考えております。
(経年率がかかるもの)
・躯体(外観・エントランス・共用部など)
・内装
・間取り
・建物の雰囲気(外構なども含む)
・募集条件(家賃・共益費・敷金・礼金など)
・募集方法
などがあると思います。これらが経年と共に劣化し、価値を下げて
いくのです。ということは、これらの項目について、経年に合わせて
対策を講じていけば、安定した賃貸経営を実現することができると
いうことです。
経営の極意~賃貸仲介のあり方~ 2014年7月3日 12:10 PM
物件力については次のように考えています。
「物件力=当初の建物価値×再生率×経年率(+適正条件)」
建物は竣工したときから確実に劣化の一途を辿ります。もっと
言うと、工事中から部分的に劣化していくものです。これは、
地域性やオーナーさまの属性などには一切関係なく、どの
建物も同じようになります。
資産価値を高め、適正な家賃を得ようと思えば、それなりに
建物を再生していかないといけません。経年率に負けない
くらいの再生をしていかないと、建物の価値は減少していくものです。
このように考えて物件力をつけていくこと、回復していくことを
しなければこれからの賃貸市場では入居者に選んでもらうことは
できません。
今後、入居者とオーナーさまが直接出会うような時代になると、
この物件力(+適正条件)でその後の運営にも影響してきます。
物件力をつけず、家賃を下げ続けると、その物件の魅力は
“安い家賃”のみとなります。そのような物件に入居する方は、
それなりの属性の方しかおりません。
逆に、物件力をつけ、相場よりも若干高い家賃で経営を続けて
いくと、そのような魅力的な物件を選ばれる方はとても魅力的な
入居者さんに違いありません。
オーナーさまと入居者さんの間に仲介会社さんがいなくなると、
入居者審査なども甘くなり、満室することはできても、入居者同士の
トラブルやクレームに追われる日々がくるかもしれません。
ですので、賃貸市場の動向や将来性を考えても、これからの物件には
“物件力”が必要不可欠になってきます。
経営の極意~賃貸仲介のあり方~ 2014年7月2日 12:10 PM
賃貸仲介会社さんのあり方は、今後大きく変わってきます。
今までは、お部屋探しに来るお客さまのニーズを聞き、
そのニーズに合った物件を探し、案内し、紹介(プレゼン)し、
成約する。このように仲介営業マンの仲介力(営業力)が、
みなさまオーナーさまの入居状況に大きく影響を与えて
いました。
しかし、これからは仲介力ではなく“物件力”の時代です。
なぜなら、何度もお伝えさせて頂いているように、今は
入居者希望者がインターネットなどを駆使して、自分で気に入る
物件を探してきます。仲介会社さんに行くときは、その決めた
物件の鍵を準備し、送迎してもらうためだけです。
ということは、少なくともインターネット上で検索し、目にとまる
物件でないと今後は厳しいということになります。ですので、
物件力(物件の力と適正な募集条件)が必要になるのです。
そう考えると、お部屋探しをしている方とオーナーさまが直接
出会う場があるとすると・・・。また、現地を直接案内するのか、
ある程度自由に見学してもらえるスキームが組めるとすると・・・。
最近では、そのようなオーナーさまと入居希望者が直接出会う
ためのプラットホームが整備されてきております。
賃貸市場の傾向としては、このような傾向になってきているので、
オーナーさまもこの動きを察知した上で、今後の賃貸募集の
あり方を考えていく必要があるのではないでしょうか。
経営の極意~賃貸仲介のあり方~ 2014年7月1日 12:09 PM
少し特殊な事例としては、
“ブログ”
を活用しているオーナーさまもおられます。
どのようにしているかというと、アメーバブログで自分の
アカウントを作成し、そこで所有しているマンションの情報を
更新し続けているのです。
物件の募集条件はもちろん、室内外の写真であったり、
周辺環境や近所でのお祭り、イベントなどの情報を発信している
のです。これは、満室のときでも継続することができます。
更新頻度が高いということは、それだけ閲覧される方の目に
触れる確立も上がりますし、マッチングする可能性が高くなります。
また、そのブログだけではなく、他のポータルサイトへのリンクを
貼ることで露出を高めて、入居者を直接集めています。
最近では、
「仲介手数料0円で住める賃貸」とか「シェアハウス系」
の賃貸仲介専門のポータルサイトが数多く存在します。そのような
ポータルサイトにきた人が、ブログへ飛んでくる、というような仕掛け
をしたりしています。
これは、素人ではなかなか難しいことかもしれませんが、自分の
得意分野を活かしていくことが大切です。そう考えると、その方法は
無限大にあります。
これからはこのような時代になってきますので、オーナーさまも直接
入居者さんを囲い込むことを考えていく必要があるのです。
-
- 1